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 松本のその日の愚痴やら萌えやら…。
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ども、松本です。今日は文書持ってきましたー。
…ただ、その作品というのはただの説明話です(苦笑)綺羅綺登場話の補完話(汗)
なので、ひたすらにある意味で実のないことをキャラたちがだべってます。
 では、どぞー。


 水を得た魚――なんてことわざがあるが、気力を得た白綺羅綺はまさにそれだった。
 気力のない状態では、半分ほどの力しか出していない清光の相手をするだけで一杯一杯という感じだったというのに、
気力を得た白綺羅綺は本気の清光とほぼ対等に渡り合っていた。
寧ろ、見切りと反撃に関しては清光よりも精度がよかったように見えたくらいで。
…ある意味で白綺羅綺には申し訳ないが、やはり陰陽刀は気力が備わって一人前、だった。
 本人は不満――かもしれないが、きっちり自身の真価を発揮した白綺羅綺。
その実力に申し分はなく、改めて私は白綺羅綺を仲間として――大事な一戦力として彼女を迎えていた。
ただ、目覚めるなり色々あったので、白綺羅綺には一度休んでもらうことになり、
白綺羅綺は今、刀剣たちの保管部屋で眠りについていた。
 …そして私と言えば、華焔と、清光、和泉、安定――という新撰組に関わりの深い刀剣たちと共に自室に集まっていた。

「――単刀直入に聞くが、お前たちは綺羅綺を知っているのか?」

 もったいぶることもせず、ズバリと本題を和泉たちにぶつければ、
3人からはそれぞれの言葉ながらも、ほぼ同時に肯定が返ってくる。
やはり――と思いながらも、今度は華焔に視線を向ければ、私の視線を受けた華焔は軽く首を振る。
こちらもやはりそういう自覚があって綺羅綺を打ったわけではないようだ。

「…あの子は……新撰組隊士の刀――なのか?」
「いや、厳密言うなら壬生浪の、だ」
「…………死んだの?」
「華焔っ」
「…いや、死んだわけじゃねえよ。――ただ、前の主がアイツを捨てたんだ」
「?!」

 捨てた――その和泉の言葉は私にとって衝撃だった。
陰陽刀は基本的に特注品であることが多い。
使い手の個性に合わせて刀の方も個性をつけなくては、互いの真価を発揮できないからだ。
それでも、汎用の刀(モノ)はあるが――しかも綺羅綺のあの繊細な作りは、明らかに誰かのために作られたモノだった。
…なのにそれを捨てるたというのは意味がわからなかった。
 信じられない言葉に、思わず「逃げたのか?」と無遠慮に尋ねてしまった――が、それを悔やんでも後の祭り。
僅かに顔の色を悪くする和泉に「すまない」と謝罪する――と、
清光が「その方がよっぽどよかったよ」とふてくされた様子で言い、それに安定が「…ある意味ね」とため息混じりに同調した。
思っても見ない2人の反応に、思わずきょとんとしたまま和泉に視線を向ければ、
和泉は面倒くさそうにため息を漏らすと、なにかを誤魔化すように頭をかいた。


「…生き残るために刀を捨てた主の一存で、アイツは二度打ち直された」
「!」
「一度目は二刀一対の短刀――二度目は……」
「銃刀――でしょ」
「……知ってたのか?」
「わかっただけよ――私の先祖、銃刀作りの第一人者だから。
…まぁそれはそれとして、その綺羅綺の顛末を知ってるってことは、その間一緒に居たってことよね?」
「…まぁオレたち――
――いや、土方さんたちと一緒に戦い続けるために、アイツは打ち直されたわけだからな」
「要は、沖田クンたちが新撰組として戦っていた時には、もうアイツは打刀(アイツ)じゃなかったってワケ――
――だからアイツ(・・・)に元、なんて残ってるはず……」
「――写し、だってさ」
「!」
「写し?!」

 写し――その言葉に和泉たちが驚いた表情を見せる。
しかしまぁ当然か。清光は試合の当事者で、和泉は審判役だったのだ。
そんな2人が外野の会話を聞いていずとも何の不思議もなかった。
 そう、綺羅綺は華焔のオリジナルではなく、過去に打たれた刀の写し――そして、その刀(み)に宿った魂は過去を持たない真白なもの。
しかし、それだと色々とつじつまが合わないのだ。写しは写しという一個の存在。
ということは、その存在はオリジナルとはまったく別――おそらく、刀剣としての魂も共有しない。
だから華焔の打った白綺羅綺には新たな魂が宿った――と思えるが、付喪神として目覚められるのは時を経た刀のみのはず。
完成してまだ数時間しかたっていない新たな刀(・・・・)が、刀剣として目覚めるはずがないのだが……。


「…華焔、なにか……しなかったか?綺羅綺を打つときに…」
「した、というか、よくわからない鉄を混ぜ込んだから――」
「…それがオリジナルの白綺羅綺の…?」
「なんじゃないの?」

 さじを投げるかのように言う華焔――だが、それも仕方ない。
華焔はあくまで刀鍛冶――厳密なところ、こちら側の人間ではないのだから。
 そんな華焔に多くを説明しろというのは酷な話――とはわかっているものの、
わざわざ華焔が打ちに来ただけでも特異なのに、
陰陽刀で、元壬生浪士組の刀で、写しで――と、わざわざな点が多々あるだけに、
はっきりさせられるところははっきりさせておきたかった。…ただ、どうにも話が好転しそうにないが。


「…今更ながら、どこからの指示だったんだ?」
「発注は超災からだけど――…十中八九、大師匠発信じゃないの?」
「……だったらなんらかの意図があるはずなんだが………」
「単なる戦力強化なんじゃない?」
「…そのつもりだったら、綺羅綺じゃないよ。あてがわれるのは」

 私も、多くの陰陽刀を手にしてきた――が、綺羅綺のようなタイプはほとんど使ったためしがない。
それというのも、あれはもっと繊細な――術士に近い退魔士(にんげん)と相性のいいのだ。
正直なところ、その真逆と言っていい位置にいる私に対して、
戦力強化という理由で綺羅綺が送り込まれるというのにはだいぶ違和感があった。
 …まぁ、一応足りない部分を補う――補佐役、という可能性も考えられなくはないが――…うちには薩摩がいるし、なぁ…。


「…色々と、様子を見てからだな、綺羅綺の実戦投入は…」
「家政婦扱いは却下になったんじゃなかったのかよ」
「家政婦――じゃくて、巫女様扱いになるかもな」
「巫女ぉ?」
「……まぁ、あの人陰陽師だったから……考えられなくはないですけど…」
「…どうにも、そういう運用が綺羅綺には合ってる気がするんだよなぁ……」
「はぁ゛あ?」
「……いや、華焔の信条はわかってるけど………」
「?それって??」
「武器は使われてなんぼ」
「……ご尤もで」
「――だからといって、折ってしまっては意味がないからな…」
「…………」

 不満げな華焔の視線が私に向く――が、それを私は無視する。
華焔の信条は尤もではあるのだが、だからといって無茶をさせてもいい――とはならない。
極端な話、それが本当に無機物であったなら、そこまで深く考えないが、今話題に上がっているのは意思ある刀剣(かたな)。
個の生き死にがかかっている以上、軽率な判断をするわけにはいないのだ。
 実力は申し分ない――のだが、どこか脆そうな印象を受ける綺羅綺。
私の個人的な感情からなるそれではあるが、払拭しきれるまでは、
綺羅綺には申し訳ないが本格的な実戦投入はおあずけとさせてもらおう。
あの子の出陣は、きっちり鍛え上げてから、だ。


「三人とも、すまないが綺羅綺がここに馴れるまでは、あの子のこと、気にかけてやってくれ」
「…へいへい」
「あんま気は乗らないけど――」
「――主の頼みなら」

 明らかに、綺羅綺の面倒を見ることに対して面倒そうな反応を見せる和泉たち。
…まぁ、過去の記憶を持っていない――自分たちのことを覚えていない綺羅綺の面倒を見ることが面白くない、という気持ちもわからなくもない。
だが一方的だとしても、綺羅綺のことを知っていてくれる和泉たちなら、こちらとしては安心して任せられる。
…なんとなく、あの子はすぐに無茶しそうなので、それを見抜いて、止められるだろう和泉たちの存在は重要なのだ。
 面倒そう――ながらも、受け入れてくれた3人の善意に甘えて「頼むよ」と綺羅綺のことを頼んで――すくと立ち上がる。
それに促されるように清光たちも立ち上がる。そしてそのまま部屋を出て――


「それじゃあ、畑仕事と馬当番、頑張ってくれな」


 私たちとは逆方向へ向かおうとする和泉たちにそう声をかければ、やはり面倒そうな返事かが返ってくる。
けれど文句は返ってこず、3人はやや重い足取りながらも各々の仕事を果たすためにその場を後にした。
 3人の後ろ姿を見えなくなったところで、私と華焔も動き出す――が、私たちの行き先は別。
華焔は短刀たちが手合わせをしているであろう裏庭へ、
そして私は歌仙たちが今晩の宴――綺羅綺の歓迎会の準備をしているであろう台所へ。
「じゃあね」と言って離れていく華焔を見送る――前に、
どうしても一つ聞き忘れていたことを思い出して、はしと華焔の手を取る。そして前置きもなく疑問を口にした。


「綺羅綺に、写しとしての自覚はあるのか?」

「…あるんじゃないの?私は、写しとして打ったもの。
――ただ、原典の情報をどこまで持っているかはわかんないけど」

「そうか…」


 最後に、気になるなら聞けばいい――と、華焔は平然と口にして、私の手からスルリと離れていく。
そしてそれをただ黙って見つめていれば、すぐに華焔の姿は見えなくなってしまった。
 華焔の言葉を反芻して、方針が決まって心の中で頷く。
オリジナルだとか、写しだとか、私自身は気にする方ではないけれど、
審神者(あるじ)として刀剣(かのじょ)のことを知っておく必要はある。
だから、綺羅綺とは一度ちゃんとサシで話す場を持つことにしよう――ただ、まずは目の前の仕事をするとしよう。


「(さて、今回はなにがメインディッシュかな?)」


 歌仙がすでに立てているであろう献立を想像しながら、私は再度台所へと足を進めた。



 綺羅綺は(一応)新撰組の(知り合い)刀でしたよ、という話でした。
んで、厳密に新撰組の刀剣、となるのが綺羅なんですね。
 和泉さんからの解説もあったように、綺羅綺たちの持ち主が、
新撰組に残るために、土方さんたちの力になりたいがために、
綺羅綺は打刀から短刀、そして短刀から銃刀となりました。
 因みに、打刀時代の綺羅はかなり綺羅綺に似ていたと思います。
…その辺りの設定は山姥切の設定を考慮したいですね。
……てか、ホントに本科様出てくるのか…?

 なんかもう語りたいこと本文で語ちゃっていので、今回はこの辺で。
次回は番外組の幼児退行話を持ってこようと思います。
して、サイトの更新はまた来週でーす(逃・滝汗)
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