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 松本のその日の愚痴やら萌えやら…。
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ども、松本です。お久しぶりでございます。
今日はちょっくら元気があるので、
以前放置した小狐丸夢(?)の後編を持ってまいりました。
 勝手設定がぶっとんできますので、
そのあたり大丈夫な方だけ、よろしくお願いいたします。
では、れっつらどん!



「主の髪、俺が梳いてやるよ――なぁ大和。もう一つぐらい櫛ないか?」

「…………」

「ぬしさま、いいのですかっ」

「…まぁ、獅子王も手持ち無沙汰なんだろうし…」

「そうそう、別にいいだろ?アンタはアンタで主に髪梳いてもらってんだし」

「ぅぬぐぐ…」


 残念なことに、返す言葉がない。
彼奴の言い分は腹立たしいが間違ってはいない――
――私だけが一方的に手入れをされるのはどうなんだ、ということだ。
私たちにとってはそういう問題ではないが、ぬしさまはそういう問題と受け取っておいでのはず。
…ここで滅多なことを言っては呆れられるだろう――より。
 そのようなこと思いながら、またうつ伏せになれば、
獅子王が「お!」と嬉しげな声を上げ、どうやら親切に櫛を持ってきたらしい大和が鳴いた。
ぅうむ…私への嫌がらせではなかろうな、大和よ……。


「…………えーと、主?自分で言い出しといてなんだけどさ、髪解くのだけやってくんない?」

「はいはい、ちょっと待って――ねっ、と」


 パチンとぬしさまが指を鳴らせば、獅子王が「おぅっ」と驚き混じりの感嘆の声を漏らす。
おそらく、ぬしさまの髪が広がる瞬間というのはとても美しいのだろう――
――…今更ではあるが体勢を戻したことが悔やまれる。
…まぁ、今回はいいだろう。ぬしさまが髪を解く瞬間は今後も一日一回はあるのだから。


「よーしっ、はじめるぜー」

「はーい――じゃ、こっちも再開するよ?」

「はい…よろしくお願いいたします。ぬしさま…」


 いつもであれば、至福の時間だというに――邪魔者がいるだけで、こうも面白くないとは……。
ううむ…三日月であれば、このようなことはないのだが………。
…ああそうだ、あれは独占欲、というものが薄いからだ。
それに対して、獅子王は独占欲が強い故に――こうなるのだろう。
 ――と、獅子王のことを考えることをやめる。
ただでさえ面白くなのに、あの男のことを考えてはより面白くない――それに、
ぬしさまに構ってもらっているのは私!故、ぬしさまの注目が向いているのも私!
であれば、ぬしさまから与えられる心地よさを存分に満喫しようではないか!
 ぬしさまが優しく私の髪を梳く。
ぬしさまが手入れをしてくださることに加えて、
私自身もぬしさまが私の髪を好いてくれるからこそ、毛並みには気を使っていることもあって、
私の髪を梳く櫛の流れが滞ることはない。
それでも、ぬしさまに髪を梳いてもらえることが嬉しく心地よい。
時より、耳の裏を撫でられたくらいにして――


「主の髪、いい匂いするよなぁー……」

「香りには、気を使ってないけどね」

「…じゃあ、手入れには気、使ってんだ」

「この長さだからねぇ」


 獅子王の言葉に鼻がひくつく――が、
ぬしさまに耳をほぐすように揉まれて、体中から良い意味で力が抜けて、
獅子王の言葉などどうでもよくなった。
 髪を梳き終えると、ぬしさまは私の耳を撫でたり揉んだりとほぐしてくれる。
正直なところ、これが一番気持ちがいい。これも獣の性、というものか――
――まぁ、この気持ちよさを思えば、なにを言われようが構うところではないが。
 気持ちが良いかと聞いてくるぬしさまに、「あい~」ととんでもなく間抜けな声で返事を返す。
当然、獅子王が噴出し笑ったが――私は今、彼奴には味わえない幸福を味わっているのだ――と、思えば、
やはり獅子王の反応など些事だった。


「はーい、完了っ。お疲れ様、小狐丸――っと………いつものことながら降りてくれないのね…」

「…至福の余韻を楽しんでおります故、ご容赦をー……」


 ――と、言えば、ぬしさまは必ず黙って私の頭を撫でてくださる。
それが愛玩衝動なのか、労いであるのか、それは私にはわからぬこと――だが、
ぬしさまが私の我侭を聞き入れてくださっている、という事実だけで十分だ。


「……別にさ、このままで全っ然いいんだけどさ――髪、切りたくなんないのか?」

「!」


 僅かに、ぬしさまの体が強張る。
……なにか、あるんだろう――が、ぬしさまはそれを表情には出さず、
少し困ったような苦笑いを浮かべて獅子王に答えた。


「暑いとちょっと思うけど、思うだけだねぇ」

「は?なんでだよ??暑いなら切りゃいいだろ」

「うーん…そうなんだけど――髪、長い方が舞が綺麗に見えるし、獣神受けがいいんだよねー…」

「あ、ああ…そりゃ切れないな…」

「あ、いや、別に切るなって言われてるわけじゃないんだよ?
ただ、好きだって言ってくれる人がいるのに、それを無視して切っちゃうのもなんだし、
私自身、長い方が遊べるしね」


 獅子王の方を見て笑うぬしさまの言葉に嘘はない――しかし、まだ口にしていない真実があるはず。
…しかし、それを今問うのは無粋――いや、いつ問うてもぬしさまにとっては無粋か。
なれば、この事実はこの小狐の心の内にしまっておくとしよう。……その方が、良い気がしてならん…。
 僅かに体を動かし、ぬしさまに起き上がることを動きで伝える。
それを受けたぬしさまは後ろに体を倒し、私が起き上がるの待ってくれる。
そして、それに応えるようにして、私はぬしさまの膝から体をあげ――そのままぬしさまに背を向けた。
 後ろからぬしさまが獅子王に断りを入れる声が聞こえる。
私の元へぬしさまの気配が近づくと、ぬしさまは私の髪を軽く梳きながら元通りに髪を結んでくださる。
そして、その礼を言うためぬしさまの方へと向きかえれば――


「――――」


 そこにいるのは既視感がありながらも、いつものぬしさまとは明らかに雰囲気の違うぬしさま。
そんな印象を、獅子王は受けていないようだが――それは当然だ。
このぬしさまの姿を見たのは、ぬしさまの神子としての力を目の当たりにした者だけ、なのだから。
 ぬしさまの手が伸び、私の顔に触れる。
そこではっと思考は現実に返り、反射的にぬしさまに視線を向ければ、
ぬしさまは申し訳なさそうな苦笑いを浮かべていた。


「怖かった?」

「……いえ、驚いただけです」

「そっか。…存外、外見だけでも印象に残るんだね。――当分、髪を解いた姿は見せられないかなぁ」

「そうですね、秋田の前では特に……」

「? なんだよっ、2人で話し進めんなよなっ」

「ああ、ごめんごめん」


 ふてくされた獅子王の声に、ぬしさまは苦笑いを浮かべて振り返り、
自分が神子としての力を解放した時の姿が、髪を解いた状態であったことを伝える。
すると神子の力を知る獅子王は微妙な表情を浮かべた。
…まぁ、神子としてのぬしさまを敬遠してるのであれば、
この事実は心穏やかに受け止められるものではないだろう。
 私と獅子王の微妙な反応を受け、ぬしさまは苦笑いを浮かべると、
どこからともなく輪になった紐を取り出し、それを使って髪を左右二つに分けて結ぶ。
その姿は先ほどまで、そしていつもよりも愛らしい印象を受ける。
その上で、私と獅子王の顔を交互に見て「どう?」と尋ねる姿は――


「愛らしゅうございますー!」

「あっ!こら!!」

「はいはい、お気に召したのならなによりだよー」


 いつもの髪を結い上げたぬしさまも良いけれど――愛らしさではこちらが上!
辛抱溜まらず抱きついたが――ぬしさまは笑顔で私を受け入れてくれる。
今度はしてやったりと獅子王の顔を見れば、彼奴の顔は「ぬぐぐ」と歪んでいた。
ふふ、これも古株故の特権よ!



 そんなわけで、小狐丸夢(?)でした。師子王夢っぽくもありましたが(笑)

 小狐丸の耳は普通の人間耳らしいのですが、
我が家では耳に見えているあの髪が耳ということで通そうかと思います。
だって、その方がロマンがあっていいではないですか。
以前の設定では尻尾まであったらしいのですから、ケモ耳だってあっていいじゃない!!
まぁ、前者はボツになってるわけですけどね!!
 小狐丸と番外夢主は、イチャイチャしているように見えても、
ワンコと主人がただじゃれているだけの感じです。ただ、小狐丸の方はそれにちょっと不満(笑)
ただ、それでも周りから見ればイチャついているように見えるので、
結構な優越感を感じていることは確か。この毛繕い(?)も小狐丸だけの特権ですし(笑)
 しかし、師子王ちゃんと鶴丸の登場で色々と調子を崩されればいい(笑)
師子王ちゃんとはがうがうして、鶴丸には美味しい所かっさらわれてうぎぎとなっていればいいです。
何気に鶴丸のことを一番警戒していると面白いです(笑)
動物的感で色々と分かっているのかもしれません。

 では、そんな感じのお話でした。…いえ、後半あとがきではなくなってますが……。
次は何ですかねぇ……。三日月氏のゲロ甘(当サイト比)夢ですかね…。
もしリクエストあれば、在庫があったらそちらを更新します。
あ、そのうち本編の、番外編話公開しようと思います。
因みに、薬研兄さんと大師匠のお話です。薬研兄さんのキャラが明らかに違う…。
 それでは、今度こそこの辺で。タラバ!
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