松本のその日の愚痴やら萌えやら…。
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どうも、松本です。いやー、阿呆のように暑いですね。
風が吹いてくれればまだいいのですが、無風になると……。
超暑いです。因みになうです。窓を開けられないのがつらい…。
本日は、拍手お礼で公開している小ネタの外伝組バージョンをさらしに参りました。
ぶっちゃけ、最初しか花、関係ないんですけどね(笑)
しかも、外伝の上にif設定(笑)
色々とアレですが、とりあえず放置していきまーす!(逃)
会議部屋の床の間に飾られているのは、花が活けられた花器。
アヤメをメインとしたそれ――は、いつも飾られているわけじゃない。
では、どうして今日は飾られているのか――といえば、それは単に私の気まぐれだ。
なんか、活けたくなったから活けてみただけ。深い理由とか、意味はない――まったく。
これまでにこなしてきた任務を振り返りながら今後の展開について予想を立て――ていると、
不意にふすまの向こうから入室の許可を求める声が聞こえる。
ほぼ考える間もなく「どうぞ」と答えれば、
声の主は「失礼します」と断ってからふすまを開き、部屋へと入ってきた。
「お茶をお持ちしました」
「ありがとう一期」
おぼんの上に湯飲みとお饅頭を載せた皿を乗せ、それを手に部屋へと入ってきたのは一期。
流れるような動きで私の元へやってくると、一期はすっと静かに膝をつき、
湯飲みとお饅頭を私の作業の邪魔にならない場所へコトと置いた。
眺めていた書類たちを簡単にまとめて机の隅へと追いやって――
――さっそく一期が持ってきてくれたお茶に口をつける。
どこで学んだやら――一期はお茶を入れるのが上手い。
この程よい苦味に、心を落ち着ける香り――うむ。美味しい。
「一期、お茶淹れるの上手だよね」
「そうですか?」
「うん」
素直に一期を褒める――けれど、当人にとっては、
特別気をつけていることではないようで、その反応はちょっと微妙。
それでも、褒められたこと自体は嬉しかったみたいで、
ふと少し照れくさそうに「ありがとうございます」と笑った――と思ったら、
ふいにきょとんとした表情を見せた。
「…どうしたの?」
「…いえ、花が……」
「花?」
花、と聞いて、ふと後ろへと視線を向ける。
視線を向けた先にあるのは、私が活けた花。
まぁ、アヤメがメインなので凝ったことはしていないけれど――
――花が活けてあること、が一期にとっては驚きだったんだろう。
急に活けてあるし、なにより――
「…主は華道も嗜んでおられるのですか?」
「一応ね――…意外?」
「はい…少しだけ…」
素直に思ったままを返してくれる一期に「だよね」と苦笑いして同調した。
退魔士――しかも刀剣たちともドンパチやっちゃう超武闘派の私が、
お淑やかな女性が嗜む印象の強い華道に通じているなんて――意外通り越して違和感満載だ。
大丈夫だよ一期。一期の感覚が普通だから。
正直、私自身も変だと思うし、周りからも「意外が過ぎる」ってよく言われるから――って、
「ですが、主の作品はよいと思います――主の素直さが現れているようで」
驚きの表情を浮かべていたはずの一期が、ふわりと微笑んで私の作品をいいと言ってくれる。
でもそれより気になったのは、一期のそのあとのセリフだ。
素直さが現れている――その意図せぬ評価に思わず面食らってしまった。
素直…素直ってなぁ……。
私ってそんなに素直な性格だったかなぁ…。
…割と捻くれてると思ってたんだけど……。
「一期」
「はい」
「…私ってそんなに素直?」
どうにも、素直という一期の言葉が「そっか」と呑み込めなくて、つい一期に確認してしまう。
そして、私の問いを受けた一期は小さく苦笑いを浮かべると、
少しも躊躇せずに「はい」と答えた。
「主は素直ですよ――誰と向き合っていても」
「!」
一期の言葉にちょっと納得する。
確かに、私は素直――自分を偽ることなく誰とでも接している。
ただ、それは仲間と認めた存在に限った話、ではあるけれど。
華道は自己との対話――でもある。
だからこそ、活けた人間の人間性や心が映し出されるもの――
――それが今回の私の作品には大いに反映されているらしい。
…まぁ確かに自分はともかくとして、
作品自体はかなり素直っていうかシンプルだし――…素直な気持ちで活けた、気はする。
「主」
「…なに?」
改まった様子で一期が私を呼ぶ――ので、テキトーな方向へ向けていた視線を一期に戻す。
そして一期とぱちりと目が合うと、一期はニコリと微笑んだ。
「私は好きですよ、主のそういうところも」
「……………」
平然と、さも当然といった様子で、素直には受け取りにくいことを言って寄越す一期。
…いや、好きと言ってもらえることは嬉しいの。
でも、あくまで一期の評価は「素直」、なわけで…。
ちょっとその評価が気恥ずかしいというかなんというか…。
ワガママ、とか傲慢、とかなら――いや、そう言われたらそれはそれで問題だ。一期の頭が。
うーん…と、どう答えたものかと頭を悩ませていると、
不意に一期がおかしそうに小さく笑った。
「本当に、主は素直ですね」
「ん?」
「考えていることが全て顔に書いてありますよ」
「!!」
考えていることが全て顔に出ている――そう一期に言われ、思わず両手で顔を隠す。
いや、今更隠したところで色々と遅いんだけど、なんというか――反射だった。
情けなさと恥ずかしさで顔がうつむき――ついでに両手が顔から離れない。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる――
一期の前でアホ面さげて百面そうしていたかと思うと、
恥ずかしすぎて一期の顔が見れない。
目なんて合ったら死ぬ。恥ずかしさで悶死する。
――と思っていても、いつまでもこうしているわけにはいかない。
なのでなんとか心を落ち着かせようとした――んだけれど、
それより先に一期の手が私の腕を掴んで、そのまま私の手を顔から除ける。
完全に不意を突かれて抵抗する暇も余裕もありはしなかった――し、
そんなことを後悔している余裕もなかった。恥ずかしい!!死ぬ!!
「いいっ、いっ、一期ぉ…!」
「はい」
「はっ…離、してェ…!」
「……………どうしてですか?」
「!?」
「できることなら離したくないのですが」
一期が、一期がまさかの返答をした。しかも笑顔で。
なぜ?ですって??いつもだったら二つ返事で応じてくれるのに今回に限って何故と?!
え、意外と一期ってSなの?いじめっ子なの??ぅえええ!??!
「い、一期……?」
「はい」
「は…離してくれる…?」
「理由を」
「………はっ…恥ずかしい、ので……っ」
「――わかりました」
「!」
パッと、私の手を開放する一期。
思いがけずあっさりと手を離した一期に驚いて、
先ほどまでの恥ずかしさも飛んで一期に視線を向ければ――
――一期は「ふふっ」とまたおかしそうに笑った。
「少し、悪ふざけが過ぎましたね」
ぽんぽんと、私を宥めるように頭をなでる一期。
確かに一期のそれによって落ち着いた――けれど、
それと同時に「ちょっとじゃねーよ」と心で悪態が漏れる。
多分に顔にも出ていると思う。…もうどうでもよくなってきたけれど。
「……意外と一期って意地悪なんだね」
「いえいえ、私に限ったことではありません。男は皆そういうものです」
「ぇえー……」
「ただ、相手は限定されますが」
「はぁ……?」
唐突に、一期が意味のわからない理論を展開する。
男であれば誰でも意地悪をする特定の相手…?
…………ライバル?いや、私が一期にライバル認定される要素なんてないし、
男だったら逆にライバルとは真正面からぶつかるはずだ。…じゃあ一体なんなんだ??
「ねぇ一期――」
「教えません」
「早っ」
結局あれはなんだったのか――それを問うよりも先に、一期から却下が下りる。
やっぱり笑顔で。当然、納得できなくて「なんで?」と問い直せば、
一期は「なんでも教えてもらえると思ってはいけません」と、ご尤もなことを言う。
…ただ、うまいこと言いくるめられている気がしてならないけれど。
「…教えてくれないんだ」
「はい。主が自分で答えを導き出してください」
「うーん…頑張ってみます…」
正直、一人では導き出せない気がする――けれど、
端から諦めるわけにはいかないので、まずは自分一人の脳味噌で頑張ってみようと思う。
最悪、どうにもならなかったら――ヒントを貰おう。
それくらいは一期も許してくれると思うんだ。たぶん。
…というか、一期にとって私がそういう対象みたいなんだよねぇ…。
一期にとって私がなんなのか、それがわかれば――
「主」
「ん」
「宿題もいいですが、審神者のお役目も忘れずに」
「うーん……」
「――では、私は下がります」
「…ん。お茶、ありがとね一期」
思考を解き、部屋から出て行く一期に礼を言えば、
一期はふと笑って「失礼致します」と言って頭を下げてから部屋と廊下を繋ぐふすまを閉じた。
一期の気配が遠ざかっていくのを頭の片隅で理解しながら、
一期が持ってきてくれたお饅頭に手を伸ばす。
やや行儀悪く、お饅頭をほおばりながら、一期の残していった宿題について思案する。
うーん…。これは今日一日で答えが出るものじゃあない気がするなぁ…。
「(いつもと違うことをすると、こういうこともあるのか…)」
お饅頭片手にそんなことを思いながら、今一度自分の活けた花に視線を向ける――
――けれど、そこに「答え」のヒントがあるようには思えなかった。
考えても答えは出ない。そしてヒントらしきものすら見つからない。
八方塞の状況――ともなれば、やることはただ一つだ。
「仕事しよう!」
さぁ、気分転換に仕事をしよう!
そんなわけで、一兄夢風(?)小ネタでした。
因みに、外伝本編(?)では一兄に夢主に対する恋愛感情はございません。
あくまで主として、あと若干妹感覚で、信頼し、可愛がっている感じです。
でも、この作品では恋愛的感情を夢主に対して持っている設定で書いております。
一兄さんは、好きになった年下は大事にするあまり甘やかしそうです。
でも、ときどきイジワルする黒一兄もよかと思います(笑)
因みに、主と従者という立場になれば、自立を促すように接しそうです。
…しかし、これとは別で初心一兄さんも読んでみたいですね。
あまり一兄さんは書いたことがないのですが、これからはもっと書いていきたいと思います。
できれば一兄さんは甘イチャ話が書きたい。
なんとなく一兄さんはほのぼのよりも甘が似合う印象です。
ほのぼのも間違いなく似合うのですが、
ほのぼのだとほのぼのしすぎてネタにならない気がするのですよ…(苦笑)
というか、私がネタにできる気がしない(真顔)
それでは、くだらない――というか、支離滅裂なお話でしたが、
楽しんでくださる方がもしいらしたら嬉しいです。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
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